今ここにいる


美味しいご飯を前にして、目で美しさを楽しみ。
香を鼻孔で感じ。お箸を入れるときの感触を感じ。口に入れるときの温度を感じて、
舌で味わう。
口の中で、咀嚼し噛み応えを喜び。
のどを通る時の感覚を感じる。
そして心から湧き上がる感情を味わい。
次の一口を口に持っていく。

食事一つでも、言葉にできない部分も含めて五感を通して感じることは沢山あります。

それなのに、「前のあのご飯は、こういった場所で。。。」「あの人と来たほうがよかったかも」
「この焼き具合が足りない。料理人はプロの人なの?」
など、思考にとらわれて、今ここで感じていることをないがしろにする方もいらっしゃいます。

何を大事にするかは人それぞれですが、「今ここにいる」ということを考えると思考の中にいるので、
目の前のことに集中はしていません。
「今あそこに」いるのですね。

「今ここにいる」と五感を使いますので、一つ一つが丁寧になります。
「今あそこ」にいると過去の出来事を思い出していたり、比べたり、目の前のことより評価が先に立ったり
人といても、目の前の人に集中できないことが起きてきます。

現代人は忙しく、いつも思考の中に居たり、娯楽が多いので集中しにくいのかもしれませんが
自分の感覚を横に置き、思考の中の忙しさに捕らわれていると、
もしかしたら、もっと大切な何かを失うかもしれません。

目の前のことに反射的になっている時点で、自律的とは言えない部分があるので
自戒を込めて。