魔法の言葉


今日は東京駅周辺で心理のトレーニングでした。
その中の話題に「心理カウンセラーなら、相手の心が分かるのか?」という、
話題がありました。

結論から話すと、心理学を学んでも「相手の心」は判りません。
魔法使いではありませんので「相手の心を変えること」もできません。

クライアントの支援の際に、カウンセラーは今まで学んだ心理学や、
臨床の経験から「もしかしたら。」という仮説を持つことがあります。
でもそれは、あくまでも「仮説」で、正解ではありません。

実際のカウンセリングの中でクライアントと話していると、
問題と思っていたことが別の視点で見れるようになり、
目指す方向が変わってきたり、情報がアップデートされた結果。
仮説が間違っていたということはよくあります。

カウンセリングはクライアントのなりたい姿になれるよう支援するものなので、
仮説が間違っていたら、修正して新たに仮説をまた持てばいいだけです。

この仮説が間違っていたことが問題ではなく、
この仮説にしがみつくことが問題になります。

話は変わりますが
本屋さんへ行くと「●●がしている●●の習慣」や「●●のための魔法の言葉」
みたいな本が並んでいるときがあります。

自分や、お子さん、部下やパートナー
夫婦関係やプロジェクトのチームなど

人間関係をより良くしたり、物事を進めたいときにこうした本はとても参考になると思います。
今まで知らなかった情報は役立つ可能性があります。

こうした役立つ情報を手にした時に大事なのは、それをそのまま使うのではなく
目の前の人に合っているかどうか確認することが大切になります。

もしその情報が目の前のお子さんやパートナーの求めているもので、
タイミングもあっていれば
そのやり方は関係の改善や目的に効果的に働くかもしれません。

しかし、その情報を求めていなかったり、
タイミングがあっていないときに、無理やり押し付けても、いい効果は期待できません。
むしろ逆効果かもしれません。

それよりも目の前の人が何を求めているのか?どうしたいのか?
実際に観て、聴く方が重要かもしれません。

もしかしたら、良くなりたい気持ちはあっても、方法を知らないだけかもしれませんし、
そもそも、こちらの考えとは全く別の考えで動いているのかもしれません。
お話を聴いていたら相手から「よりよくなるための」魔法のような言葉が出てくるかもしれません。

もし魔法の言葉があるとしたらは、自分で気づいて言葉にすることで
効果を出すのかもしれません。