先の見えないストレスに対応する


※長いブログになっています。要点を知りたい方は、白いワンちゃんの画像まで一気に進めてください。
※感情消化の具体的な方法については、猫ちゃんの写真からになります。

皆さんお元気でしょうか?
と聞かれても、現在(令和2年4月)の都市部の方は少し困った状況にあると思います。
コロナウイルスの影響で、いつどこで感染するか不安がありながらも仕事を続け、移動中、電車の中で咳をすれば周りから睨まれる。。。仕事が空いたので帰郷しようにも人にうつす可能性を考えると、田舎にも行けず。


いつまでかかるかわからない先の見えない自粛を求められ、感染が怖くて集団の中に行くこともはばかられる。自宅にいるため、長期保存ができるものを買い占める。
経済もリーマンショック時以上にダメージが出ているようで、株価も下がりっぱなし、「いつ終息するのか?」先も見えず不安だが、まずは自分や周りの人を守らねば。仕事も継続しないといけないので手洗い、うがいを注意徹底していこう!
こういった危機感を持って、日常を生きている人もいれば、

※昨年の福岡、大濠公園の桜です。

自分はかからないと危機感が薄く、どこか他人事。海外のことは対岸の火事で、天気もいいのでお花見に行こう。
じしゅくジシュクでは、ストレスも溜まるから飲みに行こう。という方々もいらっしゃいます。
外食産業の方のお話をニュースで見ると他人事とは思えないので、好きな店がつぶれないように飲みに行く。という方もいらっしゃるかもしれません。

日常を生きていくには息抜きはとても大切ですが、社会情勢を鑑みると、この二週間は極力控えたほうがいいのかもしれません。

医療関係者のお話を聞いていると、症状が重く病院内での危機を伝えるも情報も数多く見られます。
こういった危機感を伝える人たちが沢山いるのに、受け取り方によって対応が全く違うのは、「ウイルスが目に見えない」「震災の時のように日常の変化がなかなか見られない」「ウイルスに罹患している人が、周りにいない」
など、想像が難しい部分があるからかもしれません。

反対に情報から不安になりすぎて、買い占めをしたり、毎日ドラッグストアに並んだり、慌てて感染者がいないところに帰ろうとしたり、
精神的にイライラして、人に攻撃的になったりしている方もいると思います。

かくいう私も、志村さんが亡くなった話を聞いた後、過覚醒を起こしていました。「夜寝られない」「音に敏感になる」「ちょっとしたことで過敏に反応する」「緊張状態が続く」「集中が難しい」などの症状が出ていました。
よく知るTVの向こうの人で身近に感じていた人が急に亡くなったとしても、なんでこういった状態になったのか?しばらく、よく理解できていませんでした。

※昨年の福岡大濠公園の桜です。

私もカウンセラーの端くれです。自己分析をしてみました。
この状態はもしかしたら、「震災の時と同じ心理状態かもしれない」その考えに気づき、コロナウイルスの理不尽さに怒りを出し、大切な日常が失われた悲しみを受け入れ、人にうつすかもしれない怖さを感じ、消化していくと過覚醒の時間は減り、少しリラックスする時間が増えました。

そのセルフカウンセリングの方法をいくつかここに書かせてもらいます。
実際のカウンセリングの場でも使われており、練習も少し必要かもしれませんが、徐々に効果が出てくるものが多いです。

詳しく知りたい方は
「震災の「心の痛み」をいやす方法
著:倉成 央先生
2011年6月8日 大和出版(絶版)
※ここから書かれている方法は上記タイトルの本から抜粋しております。
※倉成先生の本には感情処理について書かれているものが多いので、手元になければ本屋で購入するか。取り寄せて自宅待機の時に読んでみてください。

※大濠公園にて撮影

1.がんばりすぎない。

「~ねばならぬ」「~しなければ、ならない」という思い込みの強い人は知らず知らずのうちに自分を追い込んでいくことがあります。
「もっと、もっと」と思っているときは先ばかりを見ていて、本当の自分を見ていません。日常を守るために徹底したほうがいいこともありますが、先も長いことですので、燃え尽きないためにも、「よく頑張っている自分」を認めて肩の力を抜きましょう。


2.感情をはきだそう

ストレス反応が続いているのは、今回のコロナウイルスの影響をきっかけに生じた感情を、見ないようにしているからかもしれません。
ニュースなどを見て出てきた不安をそのまま飲み込んだままにしておくと、様々なストレス反応が出てきます。
悲しみや憤りを抑えた時も同じです。
ストレス反応を心の声として、当然のものとして受け止めましょう。
そして体の外へ出していきましょう。


3.聞いてくれる人を見つけよう

3密を避けるという意味では、これは適切ではないかもしれませんが、現在スマホのツールの一つにzoomなどの通話ツールもあります。
こういったツールを使い今回の出来事について話し合うことはとてもいいことだと思います。
自粛に関するストレスだけでなく「気持ち」を分かち合えそうな人と語りあうことが、知らず知らずストレス反応を軽くすることにつながります。
この語り合いでの注意点は解決を求めて話そうとしないことです。
何らかのアウトプットを得ようとすると、どうしても「こうすれば、いいのでは」というアドバイスになってしまい、その気持ちよりもこれからどうするかに焦点が移ります。
そうすると相手にもプレッシャーを与えて行動に駆り立てることになりかねません。
心を許せる人と、ただ語り合い、気持ちを分かち合うということをしてください。

※昨年の田舎の写真です。

4.感情消化法を使う。

一度生じた感情は、忘れたようでも体にたまっていることがあります。
自分の中にある感情を目をつぶって忘れようとするのではなく、あるがままに見つめるのはとても大切なことです。
「そのうち忘れる」「勝手になくなっていく」と思っている人が多いですが、実は感情はたまったまま、ずっと残ってしまうことが多いのです。
感情は消化されることで初めて消えていくものであって、我慢、もしくは見ないようにしただけではずっと残っていることがあります。
見ないようにしたり忘れたりしようとしないで、向き合って感じることこそが感情を消化する第一歩になります。


5.感情消化法 怒りの感情を点検してみよう

怒りの感情は社会的にいいものと思われていないため怒りの感情はかなり抑圧されている可能性があります。
つまり、腹が立っていてもそれに自分が気づかなかったり我慢してしまうことが多いのです。試しに「私は○○に腹が立っている」と口にしてみると「そう、確かに腹が立っている」とピンとくる方がいるかもしれません。
亡くなったかたなどへの怒りは特に見逃されやすいです。ので注意が必要です。怒りの感情は憎い対象だけに抱くとは限りません。
普段、感謝している人や愛している人にも「なんで。」「どうして、こんなに早く」といった気持ちがわくことがあります。それも怒りかもしれないのです。それが残っていると深い悲しみから脱出できずつらい思いが残ることがあります。
「コロナの馬鹿野郎!」と怒りを発散させた人はそれまでの無力感やもやもやした感覚がなくなり、前向きになった方もいらっしゃいます。
これは、怒りが生きる上でのパワーの源の一つになっているからです。
あなたは何に腹を立てていますか。


6.感情消化法 悲しみや怖さを見てみよう

「コロナの馬鹿野郎」と怒りを出したり、紙に書いてびりびりに破いてみたり、呼吸とともに外へ吐き出していくと、その奥に別の感情や感覚、もやもやしたもや考えが湧くことがあるかもしれません。
その体の中に感じているものを「私は怖い」「私は悲しい」など、自分の感情に近い言葉を出して受け入れていきます。

もし「怖さ」なら、「私は怖くてもいい」「この状況は怖くて当然」などピンとくる言葉を口にして、柔らかいクッションなどを抱きしめるのもいいかもしれません。
無理をして感じるのではなく、何度でも繰り返して徐々に感じていくものかもしれません。うまく感じていくことができると、過度の不安や気になることが減っているときがあるかもしれません。

悲しみも同じです。体の中の感覚を感じながら「私は悲しい」「私は悲しくてもいい」と受け入れていきます。もしかしたら、涙が出るかもしれません。
それはとても自然なことです。少しの間浸ってみてください。


7.イメージ法を使う

感情をうまく感じれないときや感情をもう少し深く受け入れていくときに、その感情を感じている幼い子が自分の中にいるとしたら何歳かイメージして、その子をハグする方法があります。
もし、感情を感じていてもうまく消化できないときは、自分の幼いころを思い出し、その子が感じている感情をあなたが「感じていいよ」とハグしながら言葉にしてあげてください。
「腹立つね」「怖いね」「悲しいね」「自粛ばかりであきたね」「イベント中止で悲しいね」「安心したいね」などなど、簡単な言葉になるかもしれませんがその気持ちをただ受け入れていくことになります。
こういった感情を感じだすと、その気持ちが収まらなくなるのでは思う方もいらっしゃいますが、消化できた感情はその分だけ体から出るので、ゆっくり収まっていきます。

※満月の時に撮影

感情消化はやってみると日常のストレスが減っていくので、生きやすくなってきます。また、事実志向が働きだすので現状を理解しやすくもなります。
ストレスやイライラも減るので、人に攻撃的になったり、過剰な行動も減るかもしれません。

今必要な行動は、手洗い、うがいなどの徹底と都市部でしたら、外出の自粛かもしれません。
それを我慢してやっているとそのうち感情が爆発してしまいます。
そうならないためにも一日少しの時間を使って自分の感情に向き合ってみてください。