新年のはじまりに新しいことを始めようと決心される方もいると思います。
その中で長続きするものもあれば、長続きしないものもあります。
その違いは何かと聞くと多くの方が「やる気」があるか。ないか。
やる気が長続きしない。
やる気があるけどうまく行動に移せないなど、
新しいことを始めるうえでこの「やる気」は外せないものです。
で、どうすればやる気を長続きさせることができるか。
行動に移せるかのお話を新年なので書いていきたいと思います。
※やる気や動機付けに関する記述は、ネット上にもYOUTUBEにも検索すればたくさん載っています。
自分のやる気を持続させ、目標達成のためにも自分に合ったものを採用してください。
専門用語を使うと「やる気」は「動機付け」(モチベーション)といわれます。
この動機付けは3つの機能に分かれているといわれています。
1.始発機能
2.選択機能(志向機能)
3.強化機能
の三つです。
簡単に説明をしていくと
1.始発機能とは、やる気をだして「さあやるぞ」という状態です。
2.選択機能はそのやる気をどこへ向けるか。「何をやるか」を考える段階です。
3.強化機能はそれを持続して「もっとやろう」という状態です。
で、やる気が長続きしないの多くは、1の始発機能で終わっている人が多いのです。
例えば、テストで点が取れなかった。次は点を取りたいので「頑張るぞ」という状態で終わります。
「いい点とるために頑張ります!」
やる気が持続しない人の多くはここで終わってしまいます。
2.選択機能まで行っていないんですね。
選択機能では「何を頑張る」ということを決めることです。
「点数を取りたい」のであれば、「どうやって点数を取りたいのか」という部分です。
先生「どうやって、点数をあげればいいと思う?」
生徒「とにかく頑張ります!」
これではだめなんですね。
「どうやって、点数をあげるために、何を頑張るか?」という部分が必要です。
この「何を頑張るか」という部分がないとやる気は消えていってしまいます。
出来れば何か出来事があり、落ち込んだ時に「頑張ろう」だけでなく、小さなことでもいいので「何をするか」という「目標を設定する」癖を身に着けたほうがいいです。
生まれたエネルギーをどこへ使うか。何に使うか?決めたほうが持続しやすくなります。
「勉強頑張ります」という人と
「一日10問解きます」
という人では、エネルギーの向け方が大きく変わってきます。
出来るだけ具体的な目標が必要です。
で、「短期で達成できる」目標がいいです。
「一か月300問解きます」よりも「一日10問解きます」
一か月30日あるとして「300問」は同じでも、短期的に「一日10問」のほうが達成しやすいです。
この短期的に達成できる目標は大切な部分で「毎日達成感」を味わうことは大事です。
目標が高すぎるとなぜだめなのか?
目標が高すぎると何がダメなのか?ですが、
ゴールまでの目標が高すぎると「ダメだった」という体験が多くなり、
「今日もダメだった」という体験が多くなるとやる気がなくなります。
やる気が持続しない人はこの「目標が高すぎる」場合があります。
※「ダメな体験」が多くてやる気をなくすことを学習性無力感といいます。
反対に
一つ一つは小さいですが、短期的な目標を立てて達成していくことにより、少しずつゴールに近づくことで達成感とやる気を持続していきます。
※その方向で少しやりやすい変化をもたらす所から始め、徐々に目的に近づけて行くやり方をシェイピング法といいます。
※オペラント条件付けより抜粋
ここからは3.強化機能についてになります。
強化機能とはやる気を持続させる部分になります。
やる気があり、目標を設定して、達成感を味わい。
それを持続させていくことです。
強化の部分で重要なのが自分で自分にご褒美を与えることになります。
「1日十問解けたから、好きなTVを見よう。」とか
「1か月続いたから、美味しいものを食べよう」とかですね。
「自分をほめよう」などの些細なもので構いません。
ストイックがいいと思い込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、
自分が達成できたことを認めて、喜べるからと考えると
自分にご褒美は有効な方法の一つです。
動機付けの種類
別の視点から続けていきます。
内発的動機付けと外発的動機付けというのがあります。
内発的動機付けは、行動そのものが目的です。
お金のためでもなく、怒られるからでもなく、やりたいからやるというものです。
ピアノが好きだから毎日弾いていった結果、上手になり、プロになるというものかもしれません。
外発的動機付けは、報酬や評価、賞罰が目的になっています。
ピアノなら、うまくなった結果、賞賛されたり注目されたり、お金を得ることができるようになったり、行動の対価が動機付けになっているものです。
これ内発的動機付けがよくて、外発的動機付けがよくないわけではありません。
エドワード・L・デシという人の実験があります。
もともと内的動機付けが高かった人に報酬を与えると、そのやる気が下がったという実験です。
ピアノを弾くのが楽しくて弾いていたのに、いつの間にか評価や賞賛が気になって、ピアノの楽しさを忘れてしまうということはよくあることかもしれません。
ほかにも勉強自体が楽しかったのに、お小遣いをもらえるようになるとお小遣いが目的になって、勉強が楽しくなくなるような感じです。
これをアンダーマイニング効果といいます。
ここだけ聞くと、外的動機付けはあまりよくない感じです。
しかし、もともと内的動機が弱い人に報酬を与えることで、
内発的動機付けが高まるということがあります。
お小遣い目的で親にさせられていたピアノがそのうち弾くこと自体が面白くなるということです。
最初はお小遣いが目的だったのに、出来たこと、分かったことなど小さな達成を繰り返すことで、段々その面白さがわかってくるような状態です。
こういった報酬によって内的な意欲が高まることをエンハンシング効果といいます。
内的動機付けがある人は、やる気がもともとあるので、行動をこなし、目標を達成していくことができます。
だけど、新しい目標を達成するときは、内的動機が弱い場合もあります
エンハンシング効果の話で報酬があると内部のやる気が上がる話がありました。
この話は私を含めてもともと「やる気が出ない人」「持続しない人」に向けて書かれています。
最初は「自分にご褒美」のために頑張っていたことが、出来たこと、わかったこと、達成したことが増えていくと、行動そのものが面白くなってきます。
「やる気」が上がっていきます。
自分へのご褒美はやる気が低い人ほど効果的な部分があります。
やる気がある人を見ていると自然に湧き上がって、「本当にすごいな」「なんでできないんだろう」って別次元のことのように考えたり、出来ない自分を責めていたりしていましたが、こうして考えていくと
「やる気は自然と湧き上がるものだ」というのは幻想だとわかります。
意識して、目標を決めて
目標を達成できるたびに自分をほめたり、褒美してあげたり
自分のやる気を引き出す工夫や行動が大切になります。
そういった工夫に関してネットで調べると様々なものが出てきます。
これは、様々な面に応用できると思います。
充実した一年を送るために、私も活用していきます。
※公認心理師の勉強過程で学んだ動機付けに関する記述を参考に書かせてもらっています。
新しく何かを始めたりする方のお役に立てば幸いです。